zomathの書き出し帳

気ままな独り言

マクソン DS-830

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マクソンのディストーションです。スタジオに持っていけて、どこでも狙った音が出せるちょっと良いディストーションが欲しいなぁと思い、あれこれ調べてみてピンと来るものがあったので購入しました。
わくわくしながら家に帰ってじっくり弾いてみました。


しかし、出だしの音でガッカリ。


いやいや、そんなはずはない!と思って色々と設定をイジって弾いてみましたが、やはりガッカリ。僕が求めていた音とは全然違ったのです。

ちゃんと試奏しろって話ですが、ちゃんと試奏しましたよ。その時は、レンジが広くて前に出る音で良いなと思ったのです。
ところが、家でしっかり弾いてみると何て言うか、まとまりのない音で低音弦のミュートが全くタイトじゃないんです。立ち上がりも遅いし、とてもルーズでブーミーと言うか…。その上、倍音もハイミッドに癖があり、何とも平坦で奥行の感じられない音でした。

とういことで、あえなくお蔵入りとなっていました。


ある日いつも使ってるディストーションの調子が悪く、仕方なくこれをスタジオで使うことに。
ホントに嫌々仕方なく。

ところが
「あれ??? めちゃ良いやん!」

ビックリしました。音の広がりがすごいんです。スタジオのJC120から、ドラムとベースの音の隙間を埋めつつ前に出る音が出ます。それに、音が太くて音圧が凄い!
しかも、原音から加工した音でなく、ギター本体の音を残した音になります。
やはりザクザクした刻みリフには適していなく、余韻残りまくりのブーミーにはなりますが、それでも今までの印象を塗り替えられました。

目から鱗状態の僕は、それからというものの自宅での練習にこれをメインの歪みにしてました。
改めて向き合うと、ギターの違いが音でハッキリ感じられます。しかも、同じギターで配線材を替えたりコンデンサを替えたりした時も、その違いをハッキリ感じることができました。それだけ原音を活かした音作りをしているということかもしれません。
ただ、弾くのは難しかったです。プレーン弦の単音でのソロなんかは、ピッキングを全く誤魔化してくれません。

音づくりには、スウィートスポットがあるように思います。トレブルコントロールが独特で、高音というよりハイミッドをコントロールします。アンプのイコライザーと合わせて、これを上手く使いこなすのがコツかもしれません。

ネットの評価は高く、オールマイティーとの意見もありますが、僕の印象だとそうではないです。好みが別れるのではないかなと思います。
リード向きで情熱と勢いでガツンと気合いを入れてキッチリ弾きまくるというより、歪みを抑えてギター本体の音を大事にしたい人やルーズに弾きたい人、一歩引いてじっくりギターの音に向き合うスタイルの人にはハマると思います。

歪ませ過ぎるとモワっとぼやけた音になりますが、歪みを抑えるとスッキリする反面、相当シビアなピッキングコントロールが要求されます。ただ素晴らしいのは、ギターの生音と綺麗に混ざり合うことです。あまりに素直で弾きにくさを感じますが、音色の良さと十分に引き換える価値があります。
ピッキングのタッチや音づくり、そして正確なピッキングを見直す機会となり、これにはかなり鍛えられました。


リードでの使用なら、ブーミーな低音やピッキングでの表現力を考えると、ハムよりシングルの方が合うかもしれません。
この音圧と音の太さは、バンドの音に分厚さを加味してくれます。

店頭で見かけたら、ぜひ試奏してみてください。ハマるかもしれません。